南極点でくらす1年間のきろく

アイスキューブニュートリノ望遠鏡のWinterover(越冬観測員)として、1年間南極点のアムンゼン・スコット基地に滞在しています。家族、友達のみんな、まだ生きてます。

ワールド・ベスト・マイ・デスク

僕とジョンが管理するIceCube実験の測定システムのある建物は、アムンゼン・スコット基地から1マイルくらい離れたところにあります。 基本的に、何か問題がおきない限りはアムンゼン・スコット基地のなかのラボから遠隔で検出器を操作します。

これから南極点を離れる2019年のWinteroverと引き継ぎをして、ラボの中の彼らのデスクを譲ってもらいました。

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今度からこのデスクで300億円の検出器を操作します。

席に座ってふと、窓の外を眺めます。

あるものが目に入って、おもわず笑いました。

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マジでまさかの景色。

窓の外にみえるのは、まさかの南極点*1です。

自分の席から南極点が見えるのです。世界一のデスクと言わざるを得ません。

快適なラボのなかで短パンであったかいコーヒーを飲んで、椅子くるくるしながら、ぼんやり南極点鑑賞です。

もしアムンゼンとスコットが生きてたら、ぶん殴られるレベルの不謹慎さですね。

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南極点に初めて到達した偉人、アムンゼン。

*1:厳密にはセレモニアル南極点