南極点でくらす1年間のきろく

アイスキューブニュートリノ望遠鏡のWinterover(越冬観測員)として、1年間南極点のアムンゼン・スコット基地に滞在しています。家族、友達のみんな、まだ生きてます。

The Thing

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ステーション・クローズ・デイを昨日終え、基地はいよいよ冬仕様になっていきます。 きょうは冬開始記念のディナー*1、全員参加のミーティング、さいごには伝統の映画上映会があります。

観る映画は決まっていて、”The Thing”です。邦題は”遊星からの物体X”です。ご存知の方も多いのではないでしょうか。 なぜ伝統かというと、映画の舞台が南極大陸の基地だからです*2。 簡単に言うと、冬に向けて孤立した極地の基地にエイリアンが紛れ込んで、誰が人間で誰が人間のふりをしたエイリアンかわからない、というホラー映画です。 ステーションクローズ後にわざわざ観るのは、ある種のブラックジョークみたいなものです。

分厚いプライムリブを9枚を食べたあと、パンパンになった腹を抱えて臨時映画館となる体育館に向かいます。基地にはポップコーンマシーンもあるので、鑑賞への準備は万端です。

午後7時開始です。

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The Thing
古すぎるホラー映画はある種のコメディですね。

間髪入れず、2作目が午後9時に始まります。

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The Thing
実在する知ってる基地の名前とかが出てきたりします。みんなが色々ちゃちゃを入れるので面白いです。 感想を一言でいうと、”もっとちゃんと犬狙えや!”です。

そして、もちろん3作目が午後11時に始まりました。

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The Thing
映画のセットのすべてがもはや他人事ではありません。”この雪上車、私たちのより速いよねー”とかそういうコメントが時折横から聞こえます。 主演の女優のひとがとてもきれいでした。

なお、アムンゼン・スコット基地には火炎放射器なんかおいてません*3。グレネードなんてもってのほかです*4

*1:プライムリブとグリルドシュリンプ

*2:一作目は北極点ですが、そんなもんほとんど同じでしょう。

*3:詳しくは映画みなさい。

*4:詳しくは映画みなさい。