南極点のクリスマス
南極点のクリスマスです。
シェフが相変わらずめちゃめちゃ気合いれてご飯作ってくれます。
ブッフェ形式のカウンターには、シェフが腕によりをかけた様々な料理が並んでいます。 シェフがそうであるように、食べる側にも入念な準備が必要ですね。 なので、ディナーに臨むにあたって事前に掲示されていたメニューを熟読してきています。
だから僕は知っているのです。どこかに塊で提供されるプライム・リブ*1があることを。
各種趣向を凝らしたクリスマス料理にはごめんなさいします*2。今日はなにしろ肉の日です。 野菜やらなんやらをトングでつまんでいる人たちをぶち抜いて、ビュッフェコーナーの奥深くに進みます。
ビュッフェに並ぶ長い人の列の隙間についに見つけました。
食べ放題のプライム・リブです。 メリークリスマス、マイ・プライム・リブ。
肉いっぱい食べて、ワインも好きに飲みまくって、みんなとゲラゲラ笑いながら頭の悪い話をして、楽しい夜でした。
もちろんデザートも欠かせません。 テーブルいっぱいに並んでいる色々なデザートのなか、脇においてあるボウルからトッピング用のホイップクリームを皿に山のように盛り付けます。 何枚かクッキーもとりました。 クッキーはホイップクリームをすくうスプーンの代わりです。 テーブルで交わされた議論の末、導き出された結論は結局のとこホイップクリーム単体がいちばんうまいデザートだということです。
食事が終わって夜がどれだけ更けても、ここは夏真っ盛りの南極点です。 外は決して暗くなりません。 続々とみんなが外に出ていくので聞いてみると、除雪でできた山の斜面を使ってソリであそんでるとのことでした。
これはチャンスです。北アルプスは穂高連峰のふもと、アホほど雪に囲まれて育ってきました。 ここまでアメリカに圧倒されてばかりですが、ソリなら負けないはず。
外にでると、バカでかいスピーカーを持ち出して爆音で音楽を流しながら*3、ありえない角度の急斜面にみんながソリで頭から飛び込んでいきます。
また負けです。これ知ってるやつと違う。アメリカのソリ遊びすげえ... ぼくもやってみたのですが、なんのインパクトも残せませんでした。 完敗です。 この晩はよく寝られませんでした。
アメリカはさらにぼくを驚かせてくれます。次の日の夕食のときです。
クリスマスディナーの翌日である、この日のメニューはまさかの”ステーキとロブスター”です。 一匹でも多く食べるために、夕食の開始時間である17時00分を食堂で待ち構えます。 食事時間開始を知らせるベルが鳴るのと同時に列に並びます。試合開始です。
こんな贅沢許されるのかという罪悪感すら感じます。 ワイン風呂とかしたら同じような気分なのではないでしょうか。 しらんけど。
ロブスターってうんめえ.... ニューヨークでロブスターロールたべたときは、ほんの少ししかロブスターがのっていないパンに20ドルも払いました。 でもここではどんだけ食ってもタダです。
しばらくすると、見たことない長い列ができています。 みんなロブスターとステーキによってたかってきたようです。 果たしておかわりのロブスターまでもつか...と一時は危惧しましたが、心配は無用でした。 アムンゼン・スコット基地が誇るシェフ達によって、次から次へと山盛りのロブスターが投入されます。 ありがとう、ありがとう。
一通り、列がこなされたあと、いよいよおかわりタイムに向かいます。 最初の皿では遠慮して数尾しかとりませんでした。 みんな等しくロブスターを楽しむ権利があると思ったからです。
ですが、第2ラウンドからは話が違います。 いちばんロブスターを食うのはこのおれだ!
そして、ここから衝撃の末脚を見せつけます。
おかわりに次ぐおかわりの末、立派なサイズのロブスターを14半尾を平らげました。 みんなに笑われましたが、良いのです。
ソリでは完敗でしたが、ここでは2着からおよそ10半尾差の圧勝です。 みんなにディープインパクトを残せたと思います。