南極点でくらす1年間のきろく

アイスキューブニュートリノ望遠鏡のWinterover(越冬観測員)として、1年間南極点のアムンゼン・スコット基地に滞在しています。家族、友達のみんな、まだ生きてます。

エクストリーム・コールド・ウェザー・クロージング

ウィスコンシン州マディソンでWinterOverのトレーニングが始まって、一週間が経ちました。

契約、ビザや税関係をはじめとした書類の確認、大学のアカウントの登録や銀行口座の開設などの雑務に追われた印象です。 渡米前から進めている、アメリカ南極プログラム(United States Antarctic Program, USAP)に参加するための手続きもとても大変です。

南極点に赴任するにあたって、プログラムにたくさんの書類を提出しなくてはいけません。 例えば、今週はものすごく詳細な健康診断*1の結果、南極点までの行程と装備品の確認の書類の提出等を進めました。

下の写真のいちばん上にのっかっているのは、今後支給されるエクストリーム・コールド・ウェザー・クロージング(超極寒地の作業服)のサイズを記入するフォームです。

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ジャケットのサイズは習慣的にMediumにしました。果たして身長175cmの僕はアメリカではMediumなんでしょうか。街を歩いているとSmallどころか、もしあればTinyくらいが適当な気にさせられます。

プログラムが支給してくれるのは、

  • Parka
  • Boots
  • Windpant
  • Fleece Jacket
  • Hat
  • Gloves
  • Neck gaiter
  • Goggles
  • Rain Jacket

といった装備です。 以前はリストの中に靴下等も含まれていたそうですが、誰かが使った靴下なんか使いたくないしムリ*2という意見があったらしく、各自持参方式になったそうです。

ただのサイズ確認ではありますが、こういった装備のパーソナライズがはじまってくると、確かに自分が行くんだなということを実感します。

いわんや宇宙飛行士や消防士とかを格好いい職業たらしめている理由の半分くらいは、その抜群に見た目が最高な宇宙服や消防服にあるわけですが*3、このアメリカ南極プログラムの場合も同じです。 最高に格好いいジャケットが、当地で働く科学者やエンジニアをさらに、最高に写真映えさせるのです*4

いざ南極点に到達した暁には、プログラムのバッチが縫い込まれた公式装備を着込んだ上で、南極点と自分が写った写真をアホほど撮るつもりです。 冬を越す前に、それでさっさと満足してしまいそうです。

   

さっきWinterOverの相棒が、今日は朝食にベーコン出てたよと教えてくれました。

僕が行ったときにはなかったのに。悔しい。

*1:身体を本当に全部調べられました

*2:シャワーは1週間に1-2回、それぞれ数分間だけらしいです

*3:個人の感想です

*4:個人の感想です