南極点でくらす1年間のきろく

アイスキューブニュートリノ望遠鏡のWinterover(越冬観測員)として、1年間南極点のアムンゼン・スコット基地に滞在しています。家族、友達のみんな、まだ生きてます。

これくらい暗い

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アムンゼン・スコット基地の玄関。だいたい最近こんな感じ。

まだまだ極夜が始まったばかり、しかも満月のここ数日です。

といっても、どれくらいもう暗い/まだ明るいか想像できないとおもうので、こんなもん、という写真を紹介します。 明るさなんか写真いじればどうとでもなりますが、このエントリに載せた写真は僕の目で見た感じをできるだけ再現しました。

今回、南極点にくることになって、初めてちゃんとしたデジカメを買って、撮った写真を写真編集ソフトでいじったりするようになりました。 便利なもので、昔、自分でフィルムプリントしてたころ*1に比べると同じことするための作業効率が1億倍くらい違います。 そういえば、基地のある部屋にイルフォードの印画紙の箱が山積みになっているのを見つけたことがあります。担当の人に聞いたところ、昔は基地に暗室があったようです。 フィルムカメラとフィルム、一応持ってきているのですが、もし暗室が現存してたとして自分でフィルムの現像・プリントするでしょうか。いやー、絶対しないな。

ところで上の写真ですが、画面をきれいに拭いてから見てみてください。ゴミみたいな点はホコリじゃなくて星です。 まだ驚くほどの星空って感じではありません。ただ、日に日に星が増えてきれいになってきています。

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先の写真のほぼ真裏に対応する写真です。右下に見えるのが、南極点(セレモニアルサウスポール)と太陽の残光(?)です。左の明るいのは月です。

うーん、実際はもうちょっと暗いかな。

まあ、まだまだヘッデンなしでも歩けます。

*1:バブルが崩壊したころに生まれました。そこまで年はいってません。