南極点でくらす1年間のきろく

アイスキューブニュートリノ望遠鏡のWinterover(越冬観測員)として、1年間南極点のアムンゼン・スコット基地に滞在しています。家族、友達のみんな、まだ生きてます。

ページング

朝の2時にトランシーバーが鳴って叩き起こされます。 ページングと呼ばれる、IceCube検出器からの緊急呼び出しシステムが発動しました。

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四六時中一緒。

24時間365日動いていないといけないIceCube検出器ですが、まれに検出器の一部に問題がおきたり、測定が止まってしまうようなことがあります。 測定システムは自身が正常に動作していないと判断すると、IceCube Winteroverを呼び出すようになっています。 この対応が僕とジョンの主たる仕事のひとつです。 今週はぼくが担当です。

朝の2時に起こされて、すぐに頭フル回転で何が問題か突き止めて、どう対処するか判断するのは大変です。 この日の場合はとくに、割とあちゃーって感じでリモートで解決できる問題ではありませんでした。 IceCubeの測定システムがある、基地から離れたIceCube Laboratory(ICL)に実際に行って修理しなくてはなりません。 ジョンも叩き起こして、2人で超極寒仕様の服に着替えます。

この服、あったかすぎて立ってるそのまま寝そうになります。朝の3時です。

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基地からでるとこんな光景。左手の建物がICLで徒歩20分くらい。

いろいろ大変で直すのにしばらく時間がかかりました。 前任者いわく、1年に1-2回レベルの事案だったとのことです。 そういえば、僕が担当になってからページングが頻発しています。 おととい、きのうもあったし、今日に至っては2回ありました。 呪われているのでしょうか*1

ようやく基地に戻ったのは朝の6時です。

*1:こうしてブログ書いてる間にもページングがありました。今日3回目です♫