困った話
南極点で越冬した人に1年ぶりに会ったとして、期待するものは何でしょうか。
いろいろあるかもですが、1位はうっそうと生えたヒゲですよね。
誰もキレイなスーツに身を包んで髪を短く整えている姿なんか見たくないでしょう。 みんなからの期待には応えたいと思うのものです。 なので、現地に行ってからはヒゲは放任主義でひたすらのばすものと決めていました。 ですが、それも昨日アメリカの南極派遣支援の担当者のメールがくるまではの話です。
毎年アムンゼン・スコット基地に赴任するメンバーは、南極に行く直前にコロラド州デンバーで合宿に参加することが義務付けられています。 プログラムのなかで面白いのがあって、基地での緊急時の対応のために全員が消防隊と医療隊のいづれかに分かれて訓練を行うことになっています。 これまでのIceCube実験のWinteroverの人から聞いた話では、(面白いから)圧倒的に消防隊がおすすめとのことでした。
この消防隊ですが、”火の用心的”なやつではなくて、ガチの消防服着てやるやつです。 そんなのめちゃめちゃ格好いいやつじゃないですか。どっちにするかは言うまでもないですよね。 だいたい英語で医療用語を覚えなきゃならないなんて、それで病気になりそうです。
担当者からのメール曰く、希望が決まり次第すぐに連絡くれとのことです。 すぐにでも返事するとこですが、メールの最後のほうに消防隊を希望する人向けに何やら注意書きがあります。 どうやら”Fire Department Uniform and Grooming Standards”という規準に従う必要があるようです。
Groomingに関する章の第2節a項を読んだとき、膝から崩れ落ちました。
- Beards are prohibited, except soul patches, which is the small tuft of hair centered under the lower lip. Soul patches must not connect to mustaches or extend lower than one-half inch (1/2'') below the corners of the mouth
なんと、消防隊に参加したいやつは(あご)ヒゲ生やしてはいけないのです。 マスタッシュとSoul patch*1は生やしても良いよ、なんてのは気休めになりません。
消防服をとるべきか、ヒゲをとるべきか。
困りました。
*1:下唇のしたのとこのやつ