南極点でくらす1年間のきろく

アイスキューブニュートリノ望遠鏡のWinterover(越冬観測員)として、1年間南極点のアムンゼン・スコット基地に滞在しています。家族、友達のみんな、まだ生きてます。

Go Badgers, Freeze Oregon

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バッジャーズはけっこう強いチームです。

みなさんご存知、ウィスコンシン大学が誇るアメフトチーム、バッジャーズが2020年元日の”ローズ・ボウル”に出場することになりました。 全米にいくつか存在するカレッジフットボールのリーグ(カンファレンス)のうち、2つのカンファレンス(Big10 & Pac-12)の優勝校がローズ・ボウルに出場できるようです。 みんなに聞いてみると、ローズ・ボウルは超有名で相当大きいイベントのようです。

ところで、ぼくにとってバッジャーズは知らないチームではありません。 マディソンにいる間には2回スタジアムに足を運んでいます。 talking-penguin.hatenablog.com

IceCube実験はウィスコンシン州マディソンを拠点としています。 南極点からバッジャーズを応援して欲しいと、ウィスコンシン大学から公式な依頼をもらいました。 もちろんOKです。 アメフト好きだし、そういえば僕はウィスコンシン大学の職員ですし。

そこで周りの人に声をかけて、写真を撮りました。

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指でつくる”W”のサインはウィスコンシンを意味しています。

”Go Badgers, Freeze Oregon”*1のサインですが、Oregonは相手チームのOregon Ducksのことを意味しています。 実は、南極点からローズ・ボウルに出場するバッジャーズを応援するのは伝統のようで、これまでに1963年と2013年のローズ・ボウルで同じことしています。 web.archive.org

”Go Badgers, Freeze (相手チーム)”のサインも伝統に従って、同じようにダンボールとマーカーで用意しました。 南極点に来てから、いちばん気合を入れて仕上げた仕事です。

上の写真、セルフタイマーではなくて、60秒間のあいだ1秒毎にずっと撮り続けていたうちの1枚です。 なので、みんな大好きGIFアニメ版もあります。

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GIFアニメ)個人的に好きなところは、ジョンが全体を通して2ミリくらいしか動いてないところです。

スタジアムでは間違いなくデカいディスプレイに僕たちの写真が紹介されるでしょう。 ウィスコンシンのローカル新聞に載るのは確実です。 全米に中継されるテレビにも映るかもしれませんね。 ローズ・ボウルの視聴率はMLBのワールドシリーズ、ないしNBAのファイナルより高いらしいです*2。 一夜にしてセレブレティの仲間入りです。

*1:日本語だとなんですかね、”いけバッジャーズ、凍っちまえオレゴン”?

*2:信頼のWikipedia