ワールド・ベスト・マイ・ルーム
越冬隊員の部屋の引っ越しがありました。
基地に滞在する人の数が減ったので、ほぼ全員が部屋が比較的広い居住棟に引っ越します。 これまで僕が住んでいたA3棟は部屋がとても狭くて、さらに僕のは窓がない部屋でした。 ほぼ独房のような部屋です。 この部屋、3ヶ月も住んでたので、それなりに慣れてまあ気に入ってはいたのですが、大きい部屋に移れるのはもちろん大歓迎です。
これから引っ越す棟にも窓の有無や部屋の大小があります。誰がどこに住むかはステーションマネージャーのウェインさんが決めます。 1週間位まえに、ウェインさんに”部屋の希望はあるか?”と聞かれました。 内心は特定のこの部屋がいいな、みたいなのがあったのですが、あんまりわがままを言うのはみっともないと、本音をぐっと引っ込めます。 ”窓のある部屋だと嬉しいです。これまで窓がない部屋にずっといたから。”とだけ伝えました。 ウェインさんいわく、”That's easy!”とのことです。もっと言えば良かったかな。
夏クルーが全員基地を去ったあとのウィンターオーバー全員参加のミーティングで部屋割を示した紙がウェインさんから配られました。 僕の部屋はA1棟の105号室になりました。 正直言うとこのときは、”あー、2階が良かったんだけどな。もっとウェインさんにしっかり要望伝えればよかったかな...”と後悔でいっぱいでした。
ウェインさんが続けて言います、”この1-2週間私のところに何人もの人が特定の部屋がほしいという要望を伝えにきました。彼らの、なぜ自分がこの部屋にふさわしいかという、様々なクリエイティブな理由を聞くのはとても楽しかったですよ。”と皮肉気味に言います。さらに、一番がっついたひとの名前を暴露して、”きみの理由はとくに面白かったから、みんなに紹介してください。”とかましました。 当人はとても恥ずかしそうにしています。
....あぶないところでした。あー黙っててよかった。 ウェインさんの言いたいことは、この場所にいられることだけでもとても幸運なことだと理解しなさいということだったと思います。
ミーティングのあと、ぼくの独房からA1棟105号室に引っ越します。
感動です。広い、明るい、机がでかい!窓がある!
窓の外を見て、さらに衝撃です。
なんと、僕の部屋の窓からはGeographic South Pole (マジ南極点)が見えます。すっげえ。 ウェインさん、ありがとう。
なお仕事用のデスクからはCeremonial South Poleが見れます。
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太陽が沈んだら、部屋から南極点の標識越しにオーロラが見れるでしょう。楽しみです。